コラム142 ~ん?
むか~し、昔。
正月の遊びといったら、「凧あげ」、「福笑い」、「羽根つき」、「双六(すごろく)」とともに、「かるた」がありました。
現代では、「カードゲーム」、「トランプ」はあっても、「かるた」で遊ぶ人は少ないと思います。
私が子供の頃、「(小倉)百人一首かるた」は難しく、「坊主めくり」として遊んだだけで、主に「いろはかるた」を使っていました。
「いろは」47文字に対応していて、『ことわざ』が使われており、内容は地方によって異なっていたようです。
新潟は、東方なので、かるたは「江戸かるた」で、「犬も歩けば棒に当たる」から始まります。(「上方かるた」は「一寸先は闇」、「尾張かるた」では「一を聞いて十を知る」から始まります。)
「論より証拠」、「花より団子」、「老いては子に従え」、「月とスッポン」、「泣きっ面に蜂」、「鬼に金棒」、「負けるが勝ち」、「聞いて極楽見て地獄」、「油断大敵」、「知らぬが仏」など、多くの『ことわざ』を覚えました。
年寄りが、何事にもつけ『ことわざ』を使うのは、「かるた」のせい(おかげ?)だと思います。
昔は、1、2、3と順番に番号を付ける時、次はア(あ)、イ(い)、ウ(う)とかな文字(「あいうえお順」)を使い、さらに細かく番号を付ける時には、「イ(い)、ロ(ろ)、ハ(は)、」と「いろは順」のかな文字を使っていました。
今ではほとんど見ませんが、若い人は「いろは」も知りません。(という私も、最後までは言えませんが、、、)
私の世代は、学校で、習っていなかったと思いますが、カナは「あいうえお順」の「50音表」で習ったと思います。
50音表の最後の文字「ん」は、「いろは順」にはありません。
そもそも、「ん」から始まる言葉ってあるのでしょうか?(あれば、『しりとり』で「ん」で終わったら負け、というのはなくなる気もしますが、、)
「んだ」、「んめ」、「んな訳ねーだろ」など、くだけた口語や方言、略語ではみられることもありますが、現代共通語では基本的に「ん」より始まる単語が存在しないそうです。
ちなみに、日本のお笑い界では、コンビ名に「ん」が付くと売れるというジンクスがあるそうです。
今話題の「ダウンタウン」や「ウッチャンナンチャン」、「とんねるず」などが大御所です。
他に、「ん」がつくコンビを見てみると、古くは、「獅子てんや。瀬戸わんや」、「コント55号」、「オール阪神・巨人」などが居ました。
現在人気がある(テレビでよく見る)コンビには、「キャイ~ン」、「サンドウィッチマン」、「タカアンドトシ」、「ナインティナイン」、「爆笑問題」、「バナナマン」などにも「ん」がついています。
さらに、まあまあ売れている感じのコンビでは、「アンガールズ」、「アンタッチャブル」など、一時的に売れたのでは、「テツandトモ」、「NON STYLE」、「はんにゃ」など、ソロで売れているのが「加藤(極楽とんぼ)」、「有吉(猿岩石)」、「塚地(ドランクドラゴン)」など、「ん」がつくコンビは多いように感じます。
ファンの人に怒られるのも嫌なので、「塵も積もれば山となる」(いろはがるた)で、「ジョイマン」、「TIM」、「パックンマックン」、「レイザーラモン」、「スピードワゴン」、「ロンドンブーツ1号2号」、「アルコ&ピース」、「アンジャッシュ」、「キングコング」、「銀シャリ」などもありました。
先日あった、『M-1グランプリ』の優勝者は、「令和ロマン」、一昨年は「ウエストランド」でしたが、うーんいまいち売れなさそうです。
ちなみに『広辞苑』の「最後の語」は初版から第六版まで「んとす」でしたが、2018年発行の第七版で、新しく「んぼう【ん坊】」が追加され、最後の語となりました。
「あまえんぼう」、「おこりんぼう」、「けちんぼう」などです。
あ、私のことだ
「聞こえているのに、聞こえないふり」の「ん?」